子供達が待ちに待った雪が積もりました。いろんな所で雪遊びがはじまりました。
雪合戦に雪だるま、そり遊びにカマクラ作り、あの子もこの子もほっぺたを真っ赤にして、時の過つのも忘れて遊んでいます。
白い雪玉がとんできて、私の顔にみごと命中!「冷たい!」
初雪
 

と、思ったとたんに目がさめた。
車のドアをゆっくり開けて辺りを見わたすと、それは時が止まったままの冷たく、物音ひとつしない白い世界がそこにあった。
吸い込まれそうな湖と、それに写る山々は、まるで私などよせつけない。堂々としてとても几帳面な風景だった。
「シャキッとしろよ!」とでも言いたげに…。
 
積雪

最近、人のぬくもりなんて感じた事なんてなかったのに、夕暮れ時に灯る民家の明かりってどうして、こんなにせつなく暖かいんだろう。
貴女の故郷が今ここにある。
私は凍った湖に"活"を入れられ、家の明かりを見て胸が熱くなった。
迎えてくれた貴女の笑顔を見た時、私はこの村をこの村に住んで生きている人達のぬくもりを確かに感じた。
黄昏
 

「神野瀬川の下流にね、キレイな橋があるの。二人で見に行こう」
誘われるまま車で5分。田舎には不釣り合いの、でも不思議な景色がそこにあった。
「ね、キレイでしょう」
「毎年12月から1月まで明かりがついているのよ」
彼女は子供の様に瞳をキラキラ輝かして、とびはねる様に橋を渡って行く。
「この時期になるとね、村のあちこちのお家でイルミネーションがとってもキレイなの」
 

瞳に写った輝きは電飾の色のせいだったのだろうか。それともこの村の空気でそう写ったのだろうか。
あれこれと考えを廻られながら、ふと仰ぎ見ると満天の星達がこれでもかと言わんばかりに輝いていた。
「これが本当の星空だったんだな」と妙なことに感心し、肩をブルッと震わせて、露天風呂の中に頭を沈めた。
「今夜は鴨鍋で一杯やろう。」
私は元気をくれたこの村に少し感謝していた。
 

ペンネーム:風の又一郎